浩一『そういえば村人ってこれで全員でしたっけ?』
鈴木『あっそういえば理沙がうちに帰ってきているんだよ。』
津田『えっ?理沙ちゃん?』
鈴木『ちょっと待ってて。』
と、村の広報鈴木が自宅から読んできたのは、たまたま帰省中だった大学生の娘 理沙
理沙『津田さんて探偵なんですか?私大学でミステリー研究会に入ってるくらいミステリー大好きなんです!』
津田『はいw』
理沙『よろしくお願いします。』
そんなミステリー好きの女子大生理沙を加え、改めて事件のおさらいへ
理沙『高木先生、現場の状況からみてどうでした?』
高木『浩一さんには気の毒やけど、殺人だね。』
浩一『なんで親父が殺されなきゃいけないんですか…。』
理沙『今この村にいるのは、ロケでいらっしゃってる撮影隊のみなさんとここにいる村人だけ。』
津田『もうどこまでが誰なん、マジで?』
今回偽スタッフは事件とは全くの無関係
理沙『つまり、津田さんどういう事です?』
津田『どういう事って?』
理沙『殺害が起きた時にいたのはここにいる人たちだけ。で外から来た人はいない。』
津田『あーはいはいはい。』
理沙『つまり、津田さんどういう事です?』
津田『えっと、まぁこの中に犯人がいるっていう事ですね。』
犯人はこの中にいる!?
恵『えっ?怖い…。』
理沙『でもまだ可能性に過ぎないんで、落ち着いてください。』
理沙『なんかミステリーの匂いがプンプンしてきましたね。』
津田『あはw、そういうタイプの人…w』
理沙『津田さん、こんな機会滅多にないんで一緒に事件解決しませんか?』
津田『えー、そ…、そうしましょ』
理沙『そうとなったら、まず現場を見に行きましょう。』
津田『また行くの?ムチャクチャ遠いであれ…。』
ということで、前回同様探偵ノートを手渡される津田
理沙『お祭り終わったんで法被脱いじゃってもいいかもしれないですね。』
津田『ええの?マイクはどう…、外しますか?つけといた方がいいの?』
理沙『逆に津田さんはどう思いますか?』
津田『もー、俺どういうテイでやったらええねん!わけわからん!』
しっかりマイクも付け直し、ようやく探偵の自覚が生まれた津田は村長が殺害された現場の調査へ
津田『(理沙さんは)前回のあの人役ですね。』
理沙『ちょっと何のことか分かんないんですけど…。』
津田『あー警察いた。』
今泉『ああ、これはこれは名探偵の津田さん。お噂は常々聞いてますよ。私、長野県警の今泉と申します。』
向島『向島です!』
津田『よろしくお願いいたします。』
津田『何したらいいですか?』
理沙『まずは死亡推定時刻と死因を聞いた方がいいんじゃないですか?』
津田『なるほど!じゃ、死亡推定時刻はどれくらいなんですか?』
今泉『そうですね。くわしく解剖してみないと分からないんですが、医者の高木先生が言うには12時から12時半の間くらいじゃないかと思われております。』
津田『12時から12時半…』
理沙『死因聞きましょう。』
津田『死因というのは?』
今泉『死因ですね。こちらもまだくわしい事は分からないんですが、まぁ高木先生が言うには斧による一撃で致命傷になったのではないかと思われております。』
津田『なるほど。』
理沙『まず、村長は何時から何時まで生きていたか分かりますか?』
津田『えっと…、12時頃に町内放送をやるって言うて12時になりました。で町内放送やってたよ。』
理沙『なるほど、正午の放送…。という事は村長は町内放送をして、そのあとここまで来てここで殺された?』
今泉『いや、今調べた感じですと、実際の殺害現場はここではないと思います。』
津田『えー?』
向島『実は村内放送ができる場所があるんですが、そこに村長の血痕が付いてました。津田さん、村の地図が載ったパンフレッドお持ちですか?』
津田『ああ、ありますよ。』
向島『場所ですと、このあたりです。』
津田『え?町内放送が出来るとこですか?』
向島『はい。』
理沙『津田さん、死体を発見した時間を覚えてますか?』
津田『俺が?』
理沙『はい。』
津田『12時15分。』
理沙『村長は村人への放送を行った正午までは生きていた。しかし津田さんたちがこちらの家へ訪れた12時15分にはすでに死んでいてすでにこうやって吊るされていた。という事は、つまりどういう事ですか?』
津田『ムズい…、12時から12時15分の間に殺された!』
理沙『だけじゃないと思うんです。一回整理しますね。村長は村人への放送を行って正午までは生きていた。しかし、津田さんたちがこちらの家に到着した12時15分にはすでに死んでいてこうやって吊るされていた。つまりどういう事ですか?』
津田『村長は殺されて連れてこられた。』
理沙『さすが名探偵!津田さん、よく気づきましたね。』
津田『ありがとう…。』
理沙『正確には、犯人は村長が正午の放送が終わった後に襲って、死体を担いでこの家まで運んで、縄で吊すまでを15分でやったって事ですね。』
津田『確かに!俺が来る15分の間に吊るすってことは…、怪力!男や!』
理沙『そうかもしれないです。』
向島『でも、実際にそんな事がホントに可能なんでしょうか?』
今泉『まあそうですね。我々はまだここの現場検証が残ってますんで、引き続きここで調査をさせていただきます。』
津田『男じゃない…?』
理沙『メモしておきましょう』
津田『男って?』
理沙『一旦出ますか?』
津田『ちょっと難しい…。』
そして、その後事件が起きた時刻のアリバイを村人に聞いて回るも明確にアリバイがあったのは、津田と一緒にいた広報の鈴木と綿貫みち子だけ…
そんな中、綿貫みち子が駆けつける
みち子『探したんですよ。うちのおばあちゃんがどうしても津田さんに伝えたいことがあるっていて聞かなくて…。』
理沙『ふさお婆ちゃんが?』
綿貫みち子の祖母ふさがどうしても津田に伝えたいことがある、とのことなので2人はそんなふさ婆ちゃんの家に
理沙『あ、いた!あそこに。』
津田『ふさ婆ちゃん。』
ふさ婆ちゃん『おはようございます。』
津田『おはようございます。』
理沙『ふさ婆ちゃん、何か用があったんだよね?』
ふさ婆ちゃん『あんたにどうしても聞かせたいことがあったんだ。』
津田『なんですか?なんですか?』
ふさ婆ちゃん『それは古くから伝わる手毬唄なんです。』
津田『手毬唄?』
ふさ婆ちゃん『はい。』
津田『怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い、何?何?』
ふさ婆ちゃん『ちょっとね、困ったことがあるんですけど、毬がないと手毬唄が歌えないんです。』
津田『めんどくせえ…。』
津田『無しでなんとかならないですか?』
ふさ婆ちゃん『毬がないとね、毬がないと手毬唄が歌えないんです。お願いします。』
理沙『津田さん、毬を探しに行きましょう!』
津田『もう、めんどくせえ…。もうここさ、アップダウンすごいんよ、ここホンマに。』
理沙『一旦、毬を探しましょう。』
ふさ婆ちゃん『お願いします。』
津田『もう、それしか言わんやん。』
ふさ婆ちゃん『お願いします。毬がないと歌えないんで…。』
津田『だから何でもいいでしょ、この辺にあるんちゃいますのホンマ。毬じゃなくてもボールとかでええんちゃうのそんなん…。』
ということで、住人全ての家を再び巡り毬を探して回るのだが、小さいとはいえ山間の村は歩き回るだけでも一苦労…
津田『もうふくらはぎパンパンなんやけど、もう俺!山登りやんこんなんずっとさ。もっと平たいとこでやってくれよ!』
そして、やってきたのは村長の息子夫婦の元
津田『毬がないと歌われへんて言うてるんですよ。毬がどっかにないか?いうて今探してるんですよ。』
浩一『あっ、小屋にあるんじゃない?』
津田『あぅ!ちょっと持ってきてもらっていいですか?』
理沙『見つかりましたね。』
津田『良かった、良かった。』
津田『あー、あった!』
津田『これ、お借りしていいですか?』
浩一『あ、こんなのでよければ。』
津田『いいですか?』
理沙『ありがとうございます。』
津田『ありがとうございます。』
と、苦労の末ようやく毬をゲット
津田『マジでこれ、もう俺今日何往復すんの?マジでもう!もうそろそろ見つけようや犯人、もう…。』
理沙『犯人を見つけるためにも手掛かりを全部集めましょう。』
津田『これアップダウンすごいって!』
津田『お婆ちゃん、この手毬を持ってきました。』
ふさ婆ちゃん『これじゃ、これじゃ。』
津田『じゃあそれで手毬唄を教えてもらっていいですか?ちょっと…。』
ふさ婆ちゃん『それじゃ次に笛を探してきてくれませんか?』
津田『おいマジか…おい…。』
理沙『笛を探しに行きましょう!』
津田『もうこれロールプレイングみたいになってるやんもう…。』
ふさ婆ちゃん『笛がないと歌えないんですよ。』
津田『毬で、どうやってやんの?毬も笛もやりながらさ…。』
理沙『津田さん、笛を探しに行きましょう!』
津田『めんどくせえ~』
ということで、再び村中を回り医者の高木の元で笛をGET!
津田『あ、これが笛。』
高木『大事に使ってね。』
津田『ありがとうございます。』
津田『あ、ふさお婆ちゃん、これ笛…。』
ふさ婆ちゃん『これじゃ、これじゃ。』
津田『もうええでしょ。』
ふさ婆ちゃん『次は…。』
津田『ちょちょ…もももええ、まだ何かいんの?』
ふさ婆ちゃん『次は太鼓を…。』
津田『もうええて!』
理沙『津田さん、太鼓を探しに行きましょう!』
津田『もう…、言えよ!一気に全部!』
理沙『津田さん、太鼓を探しに行きましょう!』
しかたなく、推理を始める名探偵津田
津田『あのほんなら、浩一・恵の所に毬あったやろ。で高木先生の所に笛あったやんか。(理沙に)太鼓ないの家
?太鼓あるんちゃう家?』
少し考えて
理沙『いや、無いです。』
津田『ほんならここ消えてるやん。鈴木さんとこ消えたやろ?みち子さんとこや、あとみち子さんとこしかないやん。』
太鼓はみち子さんの家にある!?
津田『もうさ、同じとこぐるぐる…、なんもなん…、ん~ん…、んがぁ!』
理沙『行きましょう!』
津田『もう昼飯食わしてくれよな。太鼓やって歌聴いたら昼飯食わしてくれ。』
と、名探偵がさすがの推理で労せず太鼓をGET!
津田『ふくらはぎパンパになってきたもう俺!』
津田『次、俺なんか…、次もう一個なんか言ったらちょっと、怒鳴ってまいそうやホンマ。』
津田『あ、ふさ婆ちゃん太鼓持ってきました。もうこれで大丈夫ですね。揃いました?』
ふさ婆ちゃん『これです、これです。この太鼓です。』
津田『これで全部揃いましたか?』
ふさ婆ちゃん『はい。』
津田『揃いましたね。OK、OK。』
ふさ婆ちゃん『これからみなさんに手毬唄を歌ってさしあげます。』
津田『ありがとうございます。よろしくお願いします。じゃ、お願いしてよろしいですか?』
ふさ婆ちゃん『てん…』
津田『いや、使わへんの?』
ふさ婆ちゃん『てんてんてまり~』
津田『笛と…、使わへんの?なにそれ。』
ふさ婆ちゃん『てんてまり~ 村にはたぬきが4匹おった~』
津田『たぬきが4匹…。』
♪手毬唄
てんてんてまり てんてまり
村にはたぬきが4匹おった
畑を荒らしちゃたまらんと
庄屋がたぬきをこらしめた こらしめた
おなかの大きな親だぬき
吊るし上げたらおっちんだ おっちんだ
悪さばかりの子だぬき2匹
毒を盛ったらおっちんだ おっちんだ
生娘に化けた雌だぬき
刀突き刺しおっちんだ おっちんだ
津田『ありがとうございます。』
理沙『ありがとうございます。』
津田『これ、村長のことちゃうの?吊るし上げて死んでたやん!』
津田『だから、これからのこと言うてるんちゃうん?』
理沙『また何かが起こるってことですか?』
津田『ちゃうの?』
遂に明らかとなった手毬唄の呪い
果たして名探偵津田は事件を解決へと導くことができるのか?